2023年11月
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ジーンズの染料で水中のマイクロプラスチックを回収する技術 韓国

韓国科学技術研究所(KIST)は、水循環研究センター(Center for Water Cycle Research)のチェ・ジェウ(Choi Jae-Woo)博士が、ジーンズの染料である「プルシアンブルー」を利用して、太陽光を照射するだけで水中のマイクロプラスチックを99%除去できる技術を開発したと発表した。10月20日付。この研究成果は、Water Researchに掲載された。

20マイクロメートルより小さいマイクロプラスチックは、現在稼働している水処理施設では除去できず、大きな塊に凝集させてから除去する必要がある。このために鉄あるいはアルミニウムをベースとする凝集剤が使われているが、人体に有毒であり、水中に残留するため、別の処理プロセスが必要となる。

ジェウ博士の研究チームは、プルシアンブルーを使って放射性物質を除去する実験中に、この染料が可視光照射下でマイクロプラスチックを効果的に凝集できることを発見した。そして、凝集効果を最大限に高める結晶構造を調整することによって、マイクロプラスチック除去効果の高い物質を開発した。

開発された物質に可視光を照射すると、従来のろ過技術では除去が困難な直径0.15マイクロメートルほどのマイクロプラスチックを約4,100倍の大きさに凝集させることができ、除去しやすくする。実験では、水から99%のマイクロプラスチックを除去することに成功した。また、自重の3倍以上のマイクロプラスチックを凝集することが可能で、鉄やアルミニウムを使った従来の凝集剤の凝集効率を約250倍上回る。

開発された凝集剤は、人体に無害なプルシアンブルーが使われているだけでなく、固体であるため、水から残留物を回収しやすい。また、太陽光をエネルギー源として使うことで、エネルギー消費が少ない。

チェ博士は、「この技術は一般河川や廃水処理施設、浄水場などに応用できる材料候補として、実用化の可能性が高い。また、放射性セシウムの浄化にも利用でき、安全な水の提供を可能にする」と述べた。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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