2023年11月
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韓国の若い世代、遠隔医療を好む傾向 米スタンフォード大学が調査

米スタンフォード大学ショレンスタインアジア太平洋研究センター(APARC)は、新型コロナ禍の韓国において、慢性病患者のテレメディシン(遠隔医療)に対する選好に関する研究を行い、患者の属性によってテレメディシンを好むかどうかに違いが見られたとの結果を明らかにした。10月16日付。この研究成果は、Asia Pacific Journal of Public Healthに掲載された。

韓国では、医療界などのステークホルダーの反対を受け、テレメディシンは現在のところ医療サービス法によって禁止されている。しかし、新型コロナの大流行中、韓国政府は一時的に電話での処方と診察を許可した。

これまでの研究では、慢性病の診察に関してテレメディシンは、対面診察と実質的に同等であることが証明されている。しかし、新型コロナのパンデミックを背景とした研究はあまりなかった。

APARCアジア保健政策プログラム(Asia Health Policy Program)のディレクター、カレン・エグルストン(Karen Eggleston)氏らは、慢性疾患である糖尿病と高血圧を抱える韓国の患者に焦点を当て、テレメディシンと対面診察のどちらを好むかについて尋ねた。その結果、新型コロナ禍でも患者はテレメディシンサービスを特に好んだわけではないことが判明した。その原因として、新型コロナの大流行中を除き韓国ではそのようなサービスが禁止されていることやこの技術に不慣れなことなどが考えられる。

その一方で、調査からは、属性によってテレメディシンに対する見方が異なることも明らかになった。新しいテクノロジーに慣れている若い世代は、テレメディシンを好む傾向が見られた。また、就労していて対面診察を受ける時間が限られている男性や、医療へのアクセスが限られている患者も、テレメディシンをより好む傾向があった。

同報告は、この研究が韓国やその他の国におけるテレメディシンの発展に関して重要な政策的な意味合いを持つと指摘。そのうえで、テレメディシンをより良く活用するために、政策当局は、特に新しい技術を使い慣れていない高齢世代の間で、このサービスに対する認識や親しみやすさを高める必要があると提言した。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部