2023年11月
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コスト効率の高いメタマテリアル製造方法を開発 韓国

韓国の浦項工科大学校(POSTECH)の研究チームが、3Dナノプリンティングと共集合(co-assembly)技術を組み合わせることで、メタマテリアルをコスト効率の高い方法で製造する技術を開発した。10月25日付発表。この研究成果はナノ・マイクロ材料科学分野の国際学術誌Smallに掲載された。

メタマテリアルは、光学的特性を操作するために設計された人工的なナノ構造体である。従来は、シリコンや樹脂(プラスチック)などの材料に物理層や化学層を堆積させ、リソグラフィーと呼ばれるプロセスで製造される。しかし、この方法は多大なコストがかかり、適用できる材料も限られている。その製造には多大なコストを必要とするため、製造プロセスの商用化がその実用化のカギとなる。

POSTECH機械工学・化学工学部(Department of Mechanical Engineering and Department of Chemical Engineering)のロ・ジュンスク(Rho Junsuk)教授率いる研究チームはまず、さまざまな大きさのシリカ(ガラス)と金のナノ分子を使って、ラズベリー様のメタ分子を作製した。そして、これらのラズベリー様の構造を互いに積み重ねて、ミリメートルサイズのメタマテリアルを作製することに成功した。

(出典:POSTECH)

実験では、作製したメタマテリアルの光制御能力が実証された。特筆すべきは、可視領域内の散乱光が大幅に減少したことである。この研究は、ミリメートルサイズの構造体を用いて、溶液内のメタ分子の光学的特性を検証した初の事例となる。このアプローチでは、肉眼または簡単な顕微鏡装置で結果を観察できるため、検証のための特別な装置を必要としない。さらに研究チームは、メタマテリアル内のシリカと金のナノ粒子の比率を調整することで、光学的特性の微調整を実現した。

ロ教授は、「この技術は、量子ドット、触媒粒子、ポリマーを含む幅広い材料の利用を可能にするため、メタマテリアル研究だけでなく、センサーやディスプレイといった多様な分野にも応用できる」と述べた。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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