2023年12月
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ガスハイドレートのエネルギーガス貯蔵量を最大化へ 韓国

韓国の光州科学技術院(GIST)の地球科学・環境工学科(School of Earth Sciences and Environmental Engineering)のパク・ヨンジュン(Park Youngjune)教授率いる研究チームが、天然ガスや水素といったエネルギーガスの貯蔵を最大化するガスハイドレート技術を開発した。11月14日付発表。この研究成果は、Accounts of Chemical ResearchChemical Engineering Journalのオンライン版に掲載された。

水とガスでできているガスハイドレートは環境に優しい材料であり、ガスの貯蔵や分離など幅広い産業用途がある。特に天然ガスの貯蔵媒体として利用する場合、液化・圧縮天然ガス技術に比べ、常温・低圧条件で天然ガスを貯蔵できることから、地球温暖化に備えた次世代エネルギー貯蔵媒体として注目されている。

しかし、低温・高圧条件下において化学量論的濃度で熱力学的形成促進剤を使用すると、エネルギーガスがナノ格子空間の一部を占有し、ハイドレートに貯蔵されるガス量が減少するという問題が生じる。

この問題を解決するため、研究チームはガスハイドレートのガス貯蔵量の大幅な向上を可能にするチューニング効果(tuning effect)に着目し、メタンや水素などの既知のエネルギーガスに加え、二酸化炭素(CO2)についても世界で初めてチューニング効果を誘起することに成功した。

さらに、このチューニング効果を産業に適用するため、研究チームはチューニング効果の概念を大量生産に有利な水系ハイドレートにも拡大し、共融点やハイドレートの転換率など、チューニング効果を誘起する重要な因子の相関関係を明らかにした。この研究を通じ、熱力学的形成促進剤の最適濃度は、共融点をわずかに下回る濃度領域であることと、高い転換率を得るには共融点の高い熱力学的形成促進剤の使用が有利であることが確認された。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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