韓国の科学技術情報通信部(MSIT)は、英インペリアル・カレッジ・ロンドンで、「合成生物学に関する韓英国際協力円卓会議」を開催した。11月22日付。
このイベントは、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の英国訪問を機に開催されたもので、MSITのイ・ジョンホ(Lee Jong-ho)長官がインペリアル・カレッジ・ロンドンを訪問し、韓国と英国の合成生物学(工学生物学とも呼ばれる)の専門家を交えて両国の協力について話し合った。
合成生物学は、将来のバイオエコノミーを主導し、さまざまな産業においてイノベーションと持続可能な成長をけん引する中核技術として世界的な注目を集めている。英国は2012年に、世界最初の合成生物学ロードマップを策定し、その後、5つの重要技術の1つに合成生物学を指定している。同様に韓国も合成生物学を、12大国家戦略技術の1つであるバイオテクノロジー分野の重要技術に位置付けている。
円卓会議では、韓国と英国の専門家がそれぞれの国の合成生物学育成政策を紹介し、研究開発(R&D)への支援、バイオファウンドリーなどのインフラ整備、人材育成、研究成果を産業応用につなげる方法などについて話し合った。また、インペリアル・カレッジと韓国科学技術院(KAIST)に合成生物学共同研究センターを設立し、研究開発と人材育成における具体的な協力活動を推進することで合意した。
一方、尹大統領の訪英を機に、韓国生命工学研究院(KRIBB)、KAISTとインペリアル・カレッジ、合成生物学イノベーション・知識センター(Innovation and Knowledge Center for Synthetic Biology:SynbiCITE)との間で、合成生物学研究協力に関する了解覚書(MoU)が調印された。両国の主要大学・研究機関間で、合成生物や脳研究、人工知能(AI)を活用した医薬品開発などの分野における先端バイオテクノロジー協力でいくつかのMoUも締結された。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部