2024年02月
トップ  > 韓国科学技術ニュース> 2024年02月

世界初、シナプスの形成・消滅・変化をリアルタイムで観察できる技術開発 韓国

韓国科学技術院(KAIST)は1月18日、生物科学科(Department of Biological Sciences)のホ・ウォンド(Heo Won Do)教授率いる共同研究チームが、シナプスの形成、消滅、変化をリアルタイムで観察できる技術を世界で初めて開発したと発表した。この研究成果は、Nature Methodsのオンライン版に掲載された。

ホ教授の研究チームは、シナプスがニューロン間の結合を形成する過程をリアルタイムで観察するため、シナプスに二量体依存性蛍光タンパク質(ddFP)を結合させた。研究チームは、この技術を「SynapShot」と名付け、シナプスの形成と消滅の過程をライブで追跡し、その動的な変化を観察することに成功した。

続いて、ホ教授の研究チームは、韓国基礎科学研究院(IBS)のイ・サンギュ(Lee Sangkyu)教授率いる研究チームとの共同研究プロジェクトを通じ、緑色蛍光と赤色蛍光を用いてSynapShotを設計した。これにより、2つの異なるニューロンをつなぐシナプスを簡単に見分けられるようになった。また、光遺伝学的手法を組み合わせることで、光を使ってニューロンの特定の機能を誘導しつつシナプスの変化を観察することが可能となった。

さらに、米国ジョンズホプキンス大学医学部のクォン・ヒョンベ(Kwon Hyung-Bae)教授率いるチームとの共同研究を通じ、ホ教授のチームは、生きたマウスを使って、視覚識別訓練、運動、麻酔などいくつかの状況におけるシナプスの変化をリアルタイムで観察した。観察の結果、各シナプスはかなり速くダイナミックに変化することが明らかになった。これは、生きた哺乳類でシナプスの変化を観察した世界初の事例となった。

(出典:いずれもKAIST)

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

上へ戻る