韓国の浦項工科大学校(POSTECH)と蔚山科学技術大学校(UNIST)の共同研究チームが、二次元ナノ材料の安定性を改善させる画期的な組立(アセンブリ)技術を開発した。2月2日付発表。研究成果は学術誌Angewandte Chemieに掲載された。
二次元ナノシートによる平面状構造は、独自の機械的・光学的性質を示し、半導体素子や触媒、センサーなどに幅広く利用されている。しかし、分子間力(ファンデルワールス力)の影響により面(face)同士が直接接触する構造をとるため、触媒機能に重要な機械的安定性が損なわれるという課題があった。
今回、研究チームは、二次元シリカナノシート(2D-SiNS)を、従来の面と面(face-to-face)ではなく、端と端(edge-to-edge)を結合して組み立てる技術を開発し、中空のサッカーボール型構造を作製することに成功した。この構造は高温やさまざまな溶剤環境などの厳しい条件下でも優れた機械的安定性と耐久性を示した。さらに、ナノ構造の意図しない集合を防ぎ、触媒活性を低下させるコーク(coke)の形成を防止する利点も持つ。
(出典:いずれもPOSTECH)
研究を率いたイ・インス(Lee In Su)教授は、「ナノスケール材料のアセンブリに関する理解が深まっただけでなく、安定した二次ナノ機能材料の開発に向けた道を開いたことを嬉しく思う」と語った。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部