韓国の光州科学技術院(GIST)は10月25日、子どもたちの読書活動を支援する2種類のロボットを開発し、国立子ども青少年図書館で試験運用を行うと発表した。
近年、公立図書館では、新たな技術を活用して子どもたちに「強制的な」読書ではなく「楽しい」読書体験を提供する読書活動支援サービスの需要が大幅に増加している。
こうした需要を背景に、GISTの研究機関である韓国文化技術研究所(Korea Culture Technology Institute:KCTI)は、全国の公立の児童・青少年図書館向けの読書活動支援サービスの拡充を図るため、「AIを活用した子どもの読書活動支援ロボットとサービスコンテンツの開発」という研究プロジェクト(期間:2022年4月~2024年12月)を実施している。
その一環として、同研究所は、本の場所を案内するロボットと、子どもの音読の相手をするロボット(愛称:ポメ)を開発した。場所案内ロボットは、図書館内の読書室を動き回り、青少年に適した本を推薦したり本の場所を探したりする。また、子犬の形をした「ポメ」は、音読する子どものさまざまな感情を察知し、それに合わせて表情を変えたり尻尾を振ったりしてコミュニケーションを取ることで、子どもたちが読書の楽しさをより感じられるようにする。
KCTIは、蔚山科学技術大学校(UNIST)や西江大学校産学協力財団などの共同研究機関とともに、読書活動支援ロボットのプロトタイプと検証や、触覚センサーを利用したユーザーの行動と意図を理解する技術の開発を進める予定である。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部