【釜山共同】プラスチックごみによる海などの環境汚染を防ぐための国際条約作りを目指す政府間交渉委員会が25日、韓国・釜山で開幕した。条約案をまとめる最終会合の位置付けで、12月1日の会期末までに合意できるかどうかが焦点だ。各国はこれまでごみの管理強化の必要性に理解を示す一方、生産の規制を巡って意見に隔たりがあり、交渉は難航が予想される。
交渉委のルイス・バジャス議長は開幕のあいさつで「私たちは一緒に汚染を終わらせることができる。今が決断の時だ」と各国に呼びかけた。
経済協力開発機構(OECD)によると、2019年の世界のプラスチック廃棄量は20年前と比べて倍増した。環境に流出したごみによる汚染も深刻化。細かく砕けた微粒子などによる健康へのリスクも脅威となり、22年の国連環境総会で条約の策定が決まった。
生産量を巡っては、世界共通の削減目標導入といった厳しい規制を求めるEUに対し、産油国などが強く反発している。日本は一律でなく各国の状況に応じた規制にするべきだとの中間的な立場を取る。
プラスチックごみなどが散乱した線路を歩く男性=4月、インド・ムンバイ
(AP=共同)
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部