韓国の蔚山科学技術大学校(UNIST)は、海水資源技術における協力に向け、米エネルギー省(DOE)傘下のエネルギー高等研究計画(ARPA-E)の代表団が10月23日に同校を訪問したことを伝えた。
DOEやエネルギー企業の代表者を含む約30名で構成された代表団はUNISTの海水資源技術研究センター(Seawater Resources Technology Research Center)を見学し、同市の研究開発特区「Ulsan Ulju Innotown」内の企業によるプレゼンテーションと議論に参加した。議論では、海水を用いた二次電池や水素製造、二酸化炭素回収・貯留を含む様々な分野に関する共同研究の可能性が中心的な話題となった。
同センターが開発している世界初の「海水電池」は、海水を電解質として使用するもので、環境に優しくコスト効果が高いエネルギー貯蔵技術として注目を集めており、同センターに拠点を置く複数の企業が商用化に向けた取り組みを進めている。
ARPA-Eのプログラムディレクターを務めるサイモン・フリーマン(Simon Freeman)氏は「過去10年間における海水電池開発の目覚ましい進展と実用可能性に感銘を受けた。我々は、海水電池を、海洋用途でのエネルギー源の実現可能な候補とみなしており、米国の国立研究機関や大学との共同研究に期待している」と語った。
Ulsan Ulju Innotownの統括責任者(Director)であるキム・ヨンシク(Kim Youngsik)氏は「ARPA-EはUNISTと蔚山における海水電池研究の両方に強い関心を示していた。特区内企業との国際共同研究の強化に向け、より密接な関係を築いていくつもりだ」と語った。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部