韓国の科学技術情報通信部(MSIT)は、1月22日に開催された国政閣僚会議と経済閣僚会議で、「国家人工知能(AI)コンピューティングセンター設立(SPC設立を含む)に向けた行動計画」を発表した。計画に基づき、AIトランスフォーメーション時代の重要インフラである国家AIコンピューティングセンターを官民連携で設立する。
MSITは2024年6月以来、経済財政部、産業通商資源部、金融委員会とともに、高性能AIコンピューティングの確保が急務であることを議論してきた。こうした議論を踏まえ、同年9月に、国家AI委員会により国家AIコンピューティングセンターの設立計画が発表された。
今回発表された行動計画は、プロジェクトの実施戦略と政策支援策を詳しく定めている。資金面については、センターの設立・運営のために特別目的会社(SPC)を設立し、官民共同で出資するほか、追加資金が必要な場合は、政策的金融手段を通じて提供する。
政府はこのイニシアチブを通じ、AIの研究開発に不可欠な先進的グラフィック・プロセッシング・ユニット(GPU)を、産業界、学界や研究機関で広く利用できるようにする。さらに、国産AI半導体に対する早期需要を喚起するため、国産のニューラル・プロセッシング・ユニット(NPU)やプロセッシング・イン・メモリ(PIM)デバイスの導入も計画している。計画には他にも、国産AI半導体産業の強化や技術の商業化の促進、センターのためのさまざまな政策支援策が盛り込まれている。
このイニシアチブの一環として、国内外のクラウドサービスプロバイダー、データセンター運営事業者、通信会社、AI関連企業を対象とするプロジェクト公募が5月末まで実施される。
MSITは、「ブロードバンドネットワークが韓国の情報通信技術(ICT)大国としての台頭の基礎となったように、AIコンピューティングインフラはAIトランスフォーメーション時代のイノベーションと成長を支える中核的な国家資産となる」と強調した。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部