2025年05月
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民間主導のカーボンニュートラル技術支援、CCUイニシアチブ立ち上げ 韓国MSIT

韓国の科学技術情報通信部(MSIT)は4月21日、ソウルの韓国科学技術センターで二酸化炭素(CO2)回収・有効利用(CCU)イニシアチブの発足式を開催したと発表した。

CCUは産業活動などから排出されるCO2を回収し、日常生活や経済活動に有用な材料に変換する技術である。このCCUイニシアチブの発足式には、イ・チャンユン(Lee Chang Yune)次官をはじめ、国内の主要企業、研究機関、学界からの専門家など150名を超える参加者が出席した。CCUは、特にセメントや石油化学などのCO2排出削減が困難な産業において、大規模なCO2削減を可能にする唯一の選択肢と考えられる。CCUは、地球温暖化の主な原因であるCO2を削減することでカーボンニュートラルに貢献するとともに、次世代産業の基盤となる高付加価値製品の生産を可能にするという2つのメリットがある。

米国やEUなどの先進国は、補助金や税制優遇措置を活用し、実証プロジェクトを支援することでCCU技術の商業化に取り組んでいる。これらの世界的な潮流に沿って、MSITはCCUイニシアチブを立ち上げた。ここでは、産業界や学界、研究機関と協力して、石油化学やセメント、鉄鋼などの主要セクターでCCU技術を応用するための民間主体の協議機関の設置が含まれている。また、関連する議論を将来の法律や規制、政策枠組みに組み込むことも目指している。

発足式では、MSITがCCU技術と産業を推進するアクションプランを示し、カーボンニュートラル社会への移行を加速させるための科学技術主導のアプローチを発表した。この計画は、技術開発と産業振興という2つの柱に焦点が当てられている。MSITはCCUイニシアチブを恒久的なプラットフォームとして運営する計画であり、CCU技術の産業化を支援するシステムを開発するため、産業界、学界、研究機関の専門家との密接な協議を続ける予定である。

イ次官は、「カーボンニュートラルは、次世代が生きる未来を守るために達成しなければならないミッションです。この目標に向かって、特にCCUの役割はますます重要になっています」と述べ、CCUイニシアチブの意義を強調した。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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