韓国政府は5月1日、韓国疾病管理庁(KDCA)が2025年8月に世界保健機関(WHO)が実施する第2回国際保健規則(IHR)合同外部評価(JEE)を受けると発表した。
WHOは2016年にJEEプロセスを開始し、各国の公衆衛生緊急事態への備えと対応能力を客観的に評価する仕組みを導入した。JEEはIHRの効果的実施を支援し、加盟国は5年ごとに受けることが推奨されている。これにより、感染症緊急対応システム、人獣共通感染症、薬剤耐性(AMR)、食品安全、化学的事象、放射線緊急事態など、幅広い分野を評価する。
韓国は2017年に第1回JEEを受け、中東呼吸器症候群(MERS)発生後の国家対応システム再構築を評価され、予防接種や検査システムなど主要分野で高得点を得た。その後、WHOの勧告に基づき「One Health」協力体制を整備し、国家AMRポータルシステムを導入するなど、健康安全保障の基盤を強化してきた。
2025年8月25~30日にかけて実施される第2回JEEでは、新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)パンデミック後に強化された公衆衛生緊急対応能力が評価される。参加する省庁は、KDCA、科学情報通信部、国防部など12機関に及び、4つの中核領域(予防、探知、対応、その他)における19技術分野、56指標が測定される予定である。
評価プロセスは、韓国の自己評価報告書を基に、外部評価チームが訪韓し、現地視察や報告書レビュー、質疑応答を行う。その後、WHOから改善提案が出され、各省庁の保健緊急事態対応計画に反映される予定である。
KDCA委員のヨンミ・ジー(Youngmee Jee)博士は「この評価は、COVID-19パンデミック後に強化された韓国の公衆衛生緊急対応能力を評価し、将来の健康脅威に備えて、感染症リスクを含む保健セクター全体に残る脆弱性を特定する重要な機会です。韓国は8年ぶりに第2回JEEを受けることとなり、評価を通じてグローバルな保健安全保障における地位を高めるために、準備を進めていきます」と述べた。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部