韓国政府は5月8日、国土交通省が2028年までに水素燃料電池を搭載した列車の商用運転開始を目指し、水素駆動電気車両の試験研究開発プロジェクトを開始したと発表した。
本プロジェクトでは、既存の鉄道路線に関連インフラを整備し、試験運行を実施する。2027年までに総額321億ウォンを投じ、車両の中核技術に対する実地試験を行い、早期の実用化を目指すとしている。
主導機関は韓国鉄道公社で、出力1.2MW、最高時速150km/h(設計時速165km/h)、1回の水素充填で600km以上の走行が可能な2両編成の水素燃料電池列車を製造する計画である。この車両は安全性試験を経た後、専用の実証用鉄道路線での走行テストに移行する予定だ。
さらに、国土交通省はこの列車の運行と管理に関する技術基準の策定を進めるとともに、関連制度の合理化や不要な規制の撤廃など、制度面からの支援にも力を入れる。こうした取り組みにより、韓国国内における次世代鉄道技術の早期普及と国際市場への展開を視野に入れている。
同省関係者は「韓国の水素燃料電池列車は世界市場で優位に立ち、将来の鉄道産業における新たな成長エンジンになるでしょう」と展望を語った。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部