2025年06月
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AI分野に約1.9兆ウォンの補正予算、世界トップ3のAI強国を目指す 韓国

韓国の科学技術情報通信部(MSIT)は5月19日、2025年の人工知能(AI)戦略強化に向けた補正予算として、政府当初案より618億ウォン増額した、1兆9067億ウォンで可決したと発表した。

今回の補正予算は、AIコンピューティングインフラの拡充、国産AI半導体の実用化促進、世界クラスのAI基盤モデルの開発、世界水準のAI人材育成、AI技術の産業化支援の5つの分野に重点的に投じられる。

インフラ面では、年内に1万基の先端GPUを確保するために1兆6341億ウォンを投資し、さらに民間から3000基をリースすることで、深刻なAI計算資源不足を解消する。

AI半導体分野では、韓国企業によるニューラルプロセッシングユニット(NPU)の早期市場投入を支援すべく、実証予算を前年比2倍以上の871億ウォンに増額し、オンデバイスAIや国際実証プロジェクトへの支援も強化する。

韓国発の世界最高水準の大規模言語モデル(LLM)開発を目的としたWorld Best LLM Projectには2136億ウォンを投じ、選定された5チームに最大3年間のGPU、高品質データ、人材支援を提供する。この枠組みでは、海外研究者の招聘も行い、国際的な研究力の底上げも図る。

若手AI人材の発掘と育成のために、国際大会グローバルAIチャレンジを開催し、国内外の博士研究員400人への支援も実施する。AIと科学技術の融合分野での協働を推進し、学際的イノベーションを促す。

産業化面では、研究室発ベンチャーなどのAI技術商用化支援として、AIイノベーションファンドを1000億ウォンに拡充。加えて、デジタル弱者向けのバリアフリーキオスク開発に92億ウォンを新規投入する。

ユ・サンイム(Yoo Sang-im)科学技術情報通信相は「今回の予算は、世界各国がAIにおけるリーダーシップを確保しようと競争している、極めて重要な時期に編成されました。危機感を強め、先端技術、人材育成、AI導入の主要イニシアチブを迅速に実行することで、この絶好の機会をつかむために全力を尽くします。私たちは、韓国を世界トップ3のAI強国の1つに確立することに固くコミットし続けます」と述べた。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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