韓国科学技術情報通信部(MSIT)は6月27日、蔚山人工知能(AI)データセンターの開設にあわせ、AI分野での国際協力と主権的AIインフラの強化に向けた戦略的対話を実施した。
MSITは韓国産業通商資源部(MOTIE)、蔚山市、国内外のAI関連企業、国会議員らとともに、蔚山展示コンベンションセンターにおいて行われた「AIグローバル協力ラウンドテーブル」に出席した。蔚山AIデータセンターは、韓国のSKグループが主導し、米国のアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)から40億ドルの投資を受けた国家プロジェクトである。総事業費は約7兆ウォン、2025年9月に着工し、2027年11月に41MWで部分稼働、2029年2月に103MWでのフル稼働が予定されている。
会議には、国内のカカオ(Kakao)社、ネイバークラウド(Naver Cloud)社、LG AIリサーチ(LG AI Research)社、サムスンSDS(Samsung SDS)社などIT関連企業が参加した。AI教育の強化や主権的AI技術の確立、スタートアップ支援の在り方、国際市場への展開戦略などを中心に活発な議論が行われた。
スタートアップも多数参加した他、企業による技術展示が行われた。AIを活用した医療画像解析ソリューションを展開する韓国のルニット(Lunit)社の代表者は「2024年の売上高の93%を海外市場が占めており、国際的なデータアクセスを実現するために政府の支援が欠かせません」と述べた。
MSITは、AI時代の基盤インフラとされるデータセンターを「ハイウェイ」と位置付け、今後も民間主導のエコシステム整備を積極的に支援する方針である。3月にAIが国家戦略技術に指定されたことを受け、AIデータセンターへの税制優遇措置も追加で検討されている。
さらに、チョン・ドンヨン(Jeong Dong-young)議員らによる「AIデータセンター振興法案」も国会で審議中であり、MSITは立法過程への積極的な関与を表明した。同省は今後、データセンター整備、人材育成、データエコシステムの拡充を通じて、韓国を世界トップ3のAI強国とする国家目標の実現を図っていくとしている。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部