2025年09月
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周囲光利用で24時間連続測定のウェアラブル開発 韓国KAIST

韓国科学技術院(KAIST)は7月30日、米国ノースウェスタン大学と共同で、周囲光をエネルギー源として利用し、心拍数や血中酸素飽和度、汗成分などを24時間連続で測定できる適応型無線ウェアラブルプラットフォームを開発したと発表した。研究成果は学術誌Nature Communicationsに掲載された。

研究を主導したクォン・ギョンハ(Kyeongha Kwon)教授(丸枠右)と研究チームメンバーら
(出典:KAIST)

本技術は、医療用ウェアラブルデバイスの課題である大容量バッテリー依存を軽減するため、3種類の光エネルギー技術を統合している。第一の「測光方式」は、周囲光の強さに応じてLEDの明るさを自動調整し、自然光と組み合わせて照度を一定に保つことで、消費電力を最大86.22%削減した。第二の「太陽光発電方式」は、高効率多接合太陽電池で屋内外の光を電気に変換し、適応型電力管理システムにより11種類の電力構成を自動切り替えて最適化する。第三の「蓄光方式」では、アルミン酸ストロンチウム微粒子を封止材に混合し、日中に蓄えた光を暗所で放出することで完全暗闇でも計測を可能にする。

3方式を組み合わせることで、明所では測光方式と太陽光発電方式を、暗所では蓄光方式を活用し、24時間連続動作を実現した。試作機を用いた実証では、光電式容積脈波計センサーで心拍数と血中酸素飽和度を測定し、青色光量計で皮膚保護指標を提供、マイクロ流体技術による汗成分の同時分析も行い、実用性を確認した。

さらに、センサー内で結果のみを計算・送信するインセンサーコンピューティングにより、無線通信データ量を400B/sから4B/sへと100分の1に削減した。明所、薄暗所、赤外線照明、暗所の4環境で健常者を対象に試験した結果、市販機器と同等の精度を達成し、低酸素状態の動物実験でも精度が確認された。

研究を主導したクォン・ギョンハ (Kyeongha Kwon)教授は「この技術は医療のパラダイムを治療中心から予防中心へ転換させ、早期診断によるコスト削減と次世代ウェアラブルヘルスケア市場での競争力強化が期待されます」と述べた。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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