2025年10月
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韓国KISTと慶尚北道・亀尾市、防衛半導体研究開発でMoU締結

韓国科学技術研究院(KIST)は9月2日、韓国の慶尚北道および亀尾市と防衛に関わる半導体の研究開発に向けた三者間了解覚書(MoU)を締結したと発表した。

調印式は慶尚北道庁で行われ、KISTのオ・サンロク(Oh Sang-Rok)学長、慶尚北道のイ・チョルウ(Lee Cheol-Woo)知事、亀尾市のキム・ジャンホ(Kim Jang-Ho)市長、国家科学技術研究会(NST)のキム・ヨンシク(Kim Yeungshik)議長が出席した。本協定は、防衛半導体分野で韓国の技術的自立を強化する上で重要な節目になると位置付けられている。

防衛半導体は地政学的緊張の高まりや防衛需要の拡大を背景に、国家安全保障と将来の防衛力の中核を担う技術とされる。韓国では防衛半導体需要の98%以上を輸入に依存しており、国産技術開発と生産能力確保は喫緊の課題となっている。今回の協力を通じて、研究開発の推進と地域産業の成長を後押しする。

共同研究は、量子型赤外線センサー技術、軍事・民間両用の非冷却型赤外線イメージセンサー、窒化ガリウム(GaN)ベースの高周波回路技術の3分野に重点を置く。先進的な化合物半導体技術を応用し、地元企業も参画することで、商業化、輸入代替、国内生産基盤の確立を目指す。

オ学長は「今回の協定は防衛半導体における技術的自立への重要な出発点です。KISTの研究力と慶尚北道、亀尾市、地域産業の支援を結集し、韓国の防衛科学技術の発展を主導していきます」と述べた。イ知事は「最先端防衛半導体は国家存亡に直結する技術であり、慶尚北道はこの分野が韓国の中核となるよう全面的に支援します」と強調した。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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