2025年10月
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AIでタンパク質設計開拓、韓国若手研究者がAPEC科学賞

アジア太平洋経済協力(APEC)は9月8日、韓国の若手研究者が、タンパク質設計における人工知能(AI)の活用を開拓したとして、2025年のイノベーション、研究及び教育のためのAPEC科学賞(ASPIRE)を受賞したと発表した。

ソウル大学校(Seoul National University)のペク・ミンギョン(Minkyung Baek)助教授は、AI を活用したタンパク質構造の予測と設計に注力し、ワクチン開発の加速と高度な研究手法の実現に貢献してきた。

今年のASPIRE賞のテーマである「AIとバイオの融合に向けて:社会的課題を解決するAIベースの包括的なバイオテクノロジー」は、地球規模の課題解決に取り組む上で、学際的な研究の重要性の高まりを反映している。バイオテクノロジーとAIの融合は、製薬や農業からエネルギーや気候科学に至るまで、産業を変革することが期待されている。

同助教授は、「我々のAIツールであるRoseTTAFoldは、生命の構成要素であるタンパク質の形状を視覚化するのに役立ちます。この形状を理解することで、研究者はより良いワクチンの設計や新薬の発見を可能にし、自然がこれまで創造したことのないタンパク質を作成できるようになります。これは、地域全体の生活を改善する可能性のある、病気への取り組みや治療法の開発がより早く進歩することを意味します」と述べた。

APECの科学技術イノベーション政策パートナーシップ(PPSTI)のハザミ・ハビブ(Hazami Habib)議長は、「AIとバイオテクノロジーの融合は、健康と社会課題解決への新たな道を切り開いています。ペク助教授の研究は、テクノロジーの融合と国際協力が、国境を越えた学際的研究を通じて、社会課題に取り組むことで、発見を加速し、科学的卓越性を促進する方法を示しています」と述べた。

今年のASPIRE賞(賞金2万5000米ドルを含む)は、韓国の科学技術情報通信省(MSIT)の後援により行われた。この賞の発表は仁川で開催された第3回高級実務者会合と関連する会合の間に行われた。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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