ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡 (JWST) で遠くの宇宙を観測したところ、初期の宇宙に非常に大きな銀河が存在していたことが分かった。それは宇宙の中でも巨大であり、その光は120億年以上かけて地球に届く。ビッグホイールという名がつけられたその銀河に関する研究結果は本日、Nature Astronomy誌に掲載された。
この巨大な円盤銀河はビッグバンから20億年後に存在していた。つまり、現在の宇宙を100歳とすると、わずか15歳のときに形成されたということである。この銀河は、銀河の形成に関する我々の知識に疑問を投げかける。
我々が知る天の川銀河のような銀河は、星、ガス、塵から構成され、平らで回転しており、多くは目に見えないダークマターの広大なハローに囲まれている。
円盤銀河は通常、密集した中心領域から外側に伸びる明瞭な渦状腕を持つ。我々の天の川銀河自体も円盤銀河であり、中心を包み込む美しい渦状腕を特徴とする。
ビッグホイールに似た塵のらせん構造
(アーティストによるイメージ映像)
天の川銀河や最近発見されたビッグホイールのような円盤銀河を研究すれば、数十億年にわたる銀河の形成、成長、進化を理解するのに役立つ。
我々の銀河に似た銀河を理解すれば、宇宙の中での我々の銀河の歴史をよく知ることができる。それゆえ、円盤銀河の研究は特に重要である。
今まで、銀河は長い時間をかけて周囲の宇宙空間からガスをごく自然に取り込み、あるいはより小さな銀河と合体して、徐々に円盤を形成すると考えられてきた。
複数の銀河が急速に合体すると、繊細な渦状構造が乱れ、秩序のない形状になるのが普通である。しかし、ビッグホイールは、独特の渦状を失うことなく、驚くほど大きく急成長した。これが、巨大銀河の成長に関する長年の考えに疑問を投げかけている。
JWSTで詳しく観測したところ、ビッグホイールの大きさと回転速度は、今の宇宙で最大の「超渦状」銀河に匹敵することがわかった。その時代の同等の銀河の3倍の大きさで、初期宇宙で観測される最も巨大な銀河の1つである。
タリー・フィッシャー関係という名で知られている銀河の恒星質量と回転速度の関係で見てみると、ビッグホイールの回転速度は、実際のところ、銀河の中でも高い方に属している。
ビッグホイールは異常に大きい銀河である。だが、驚くべきことに、宇宙年齢が同程度の他の銀河のように、活発に成長している。
中央に見えるのがビッグホイール。対照的に、右上の明るい青色の銀河はわずか約15億光年の距離にあり、ビッグホイールはその約50倍遠くに位置している。両者は似たような大きさに見えるが、ビッグホイールの途方もない距離が、その実際の巨大な物理的スケールを示している。
(JWST)
これをさらに興味深いものにしているのは、ビッグホイールが形成された環境である。
ビッグホイールは宇宙の中でも異常に密度の高い領域に存在している。ここには銀河が密集しており、宇宙の平均的な領域よりも10倍の密度がある。この密集した環境が、銀河が急速に成長できる理想的な条件を作り出し、銀河が渦状の円盤形状を維持できる程度に穏やかな合体が行われたと考えられる。
さらに、銀河の回転とそこに流入するガスがうまく整合していたため、円盤は乱れることなく急速に成長できたと考えられる。完璧な組み合わせであった。
巨大な渦巻銀河が数十億年かけて形成され、進化する過程を示した映像。この進化の道筋は、我々に最も近い渦巻銀河であるアンドロメダのような実在の銀河と似ており、ビッグホイールと同様に特徴的な渦巻腕を発達させている。
ビッグホイールのような銀河を発見することは、まずあり得ないことだった。現在の銀河形成モデルに従えば、我々がこれを見つける可能性は2%もなかった。
だから、この発見は幸運だった。おそらく、典型的な宇宙環境とはまったく異なる、非常に密度の高い領域を観測したためであろう。
その神秘的な形成だけでなく、ビッグホイールの最終的な運命も興味深い問題である。高密度という環境を持つことから、将来も合体があれば構造が大きく変化し、おとめ座のような近くの銀河団で観測される最大の銀河に匹敵する質量の銀河に変化する可能性がある。
ビッグホイールの発見により、初期の宇宙の1つの謎が明らかになり、現在の銀河進化モデルはまだ改善の余地があることが分かった。
ビッグホイールのような大規模な初期銀河をさらに観測し、新たなことが見つかるにつれ、天文学者たちは、宇宙が今日の構造を作り上げた方法について、さらに多くの秘密を解き明かすことになるであろう。