2021年07月
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花粉のDNA解析でハチミツの産地特定に成功 豪CSIRO

オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)は6月9日、ハチミツに含まれる花粉のDNA解析を行うことで、ハチミツが作られた場所や主な蜜源植物を特定できたと発表した。CSIROとメルボルン大学(University of Melbourne)、カーティン大学(Curtin University)の研究者らの共同研究の成果であり、論文はEcology and Evolutionに発表された。

花粉とたわむれるハチ(写真提供:CSIRO)

オーストラリアは年間4,500トンのハチミツを輸出しており、ハチミツの規模は1億豪ドル(約82億円)に上る。今回の発見は、市販のハチミツの蜜源と産地の証明に利用できる可能性がある。

研究者の一人であるCSIROの環境ゲノミクス未来科学プラットフォーム(Environomics Future Science Platform)のリズ・ミラ(Liz Milla)博士は、ハチミツにミツバチが運んできた花粉のDNAが含まれることから、このような研究が可能になったと語る。

国内各地で生産された15種類のハチミツを解析したところ、大部分が、ユーカリやユーカリが属するフトモモ科の植物を主な蜜源としていた。西部と東部のハチミツを識別する等、産地も細かく特定できたという。

今回用いた「DNAメタバーコーディング」という技術は、花粉のDNA配列を解析し、植物標本のDNAライブラリと照合する。顕微鏡を用いる従来の手法に比べ、迅速かつ正確に蜜源植物を特定できるという。

この技術を基にミツバチの採餌を観察することで、養蜂場のミツバチが大量に失踪する「蜂群崩壊症候群(colony collapse disorder)」のような現象に対処できる可能性もある。また、遠隔地や調査が困難な場所にある植物の調査にも役立つと期待されている。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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