2021年08月
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水素等の排出削減技術でシンガポール・日・独と提携 豪政府

オーストラリア政府の産業・科学・エネルギー資源省は6月16日、シンガポール、日本、ドイツそれぞれとの間で、クリーン水素等の温室効果ガスの排出削減技術に関する技術提携を行うことを発表した。これらの枠組みの下で、投資の呼び込みや供給網の構築、研究と技術の発展を支援するさまざまなプロジェクトを実施するという。政府は排出削減や雇用創出に向けた同国の取り組みを前進させる強力な手段になると期待している。

シンガポールとの提携では、3,000万豪ドル(約24億円)を投資して、

  1. (1)クリーン水素・蓄電池・電動化等の開発の促進
  2. (2)海運や港湾活動における排出量の削減

―を目指す。

日本との提携では、

  1. (1)低排出液化天然ガスの生産・輸送・利用
  2. (2)クリーンな燃料用アンモニア
  3. (3)クリーン水素
  4. (4)二酸化炭素(CO2)回収・有効利用・貯留(carbon capture, utilisation and storage)
  5. (5)二酸化炭素の再利用(carbon recycling)
  6. (6)製鉄業の排出削減

―といった共通の目標に向けた取り組みを強化する。

ドイツとの提携では、6月13日に発表された両国政府間の「水素協定(Hydrogen Accord)」に基づき、水素産業の発展を促進に向けた以下のような活動を行う。

  1. (1)インキュベータープログラム「HyGate」を通じた水素素の供給網に関する試験、実証、研究プロジェクトの支援
  2. (2)オーストラリアの「水素ハブ(hydrogen hub)」における異業種間連携の実証プロジェクトの促進
  3. (3)オーストラリアからドイツへの水素やアンモニアの輸出を促進する方法の探求

両国間では供給網に関する2年間の調査プロジェクトが既に進行している。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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