2021年10月
トップ  > 大洋州科学技術ニュース> 2021年10月

脳振盪の有無・重症度を数分で判断 豪CSIROが血液検査デバイスを開発へ

オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)は、指先からの採血を用いて、脳振盪(しんとう)の有無と重症度を数分で検査できるデバイスを開発していると発表した。9月10日付。この研究は臨床パートナーであるアルフレッド病院(The Alfred)の協力の下、バイオテックスタートアップのグリアダイアグノスティックス(GLIA Diagnostics)とCSIROが共同で行っている。

アルフレッド病院を運営する医療機関アルフレッドヘルス(Alfred Health)で救急医療研究部長を務めるビスワデブ・ミトラ(Biswadev Mitra)教授は、「最近の研究により、脳損傷後に起こる脳内のマイクロRNAという分子の変化が明らかになった」としたうえで、「現在、脳振盪の診断と管理は患者自身が報告する症状に基づき行われているが、血液検査により客観的な指標が得られる可能性がある」と期待する。

CSIROのヘルムト・ ティッセン(Helmut Thissen)博士が率いるチームは、このようなマイクロRNAを検出するためデバイスを開発している。ヘルムト博士は「生理学的に意義ある濃度でマイクロRNAを定量化するには、超高感度のセンサー技術が必要」と開発の難しさを語り、「数分程度で信頼できるデータを得られるようにし、臨床的意思決定を支援したい」と目標を述べた。

本研究はオーストラリア国防省(Australian Department of Defence)の出資を受けて実施されている。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部