オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)は、同機構と複数の大学が共同で運営する 西オーストラリアのポージースーパーコンピューティングセンター(Pawsey Supercomputing Centre)で、南半球で最速の公的研究用スーパーコンピューター「セトニクス(Setonix)」の第1段階(Stage 1)が公開されたと発表した。9月21日付。
スパコン「セトニクス」の外装デザインはワジャリ族のアーティストが手がけた
(写真提供:Pawsey Supercomputing Centre)
セトニクスは4,800万豪ドル(約40億円)のHPE Cray EXスーパーコンピューターで、西オーストラリアに生息する有袋類「クオッカ」の学名に因んで名づけられた。第1段階では、同センターの計算能力を45%増強することが見込まれ、最終的には50ペタフロップの性能を達成できると見込まれている。これは同センターの既存スパコン「マグヌス(Magnus)」と「ギャラクシー(Galaxy)」を合わせた性能の約30倍で、15万台のラップトップが並行して動作している状態に相当する。
外装デザインは先住民アボリジニのワジャリ(Wajarri)族のアーティスト、マーガレット・ホワイトハースト(Margaret Whitehurst)氏が手がけた。ワジャリの人々が住む西オーストラリア中西部の星空をイメージしたという。
ポージースーパーコンピューティングセンターのマーク・スティッケルズ(Mark Stickells)エグゼクティブディレクターは、セトニクスについて「(西オーストラリアに建設が予定されている)電波望遠鏡スクエア・キロメートル・アレイや、その他の重要な国家・国際プロジェクトの大量のデータを処理することになるだろう」と語り、 このコンピューターを「オーストラリアの科学界の飛躍的な進歩」とアピールした。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部