2021年11月
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2050年までの排出量実質ゼロに向けた行動計画を発表 豪政府

オーストラリアのアンガス・テイラー(Angus Taylor)エネルギー・排出削減担当相は10月26日、スコット・モリソン(Scott Morrison)首相と連名で、2050年までの温室効果ガス排出実質ゼロを目標とした「オーストラリア長期排出削減計画(Australia's Long Term Emissions Reduction Plan)」を発表した。

この計画は、既存産業や地域経済を保護しながら2050年までの実質ゼロを目指すための道筋を提示するものである。

現行の政策に基づいて策定されており、

  1. 1)税ではなく技術
  2. 2)強制ではなく選択肢の拡大
  3. 3)新技術の低コスト化
  4. 4)手頃で信頼できる電力によるエネルギー価格の維持
  5. 5)進捗状況の説明責任

―という5つの原則に沿っている。また、特に、技術のコストを低下させ大規模導入を加速することに重点を置いている。

この計画には以下のような行動指針が盛り込まれている。

  • 今後10年間に、クリーン水素、炭素回収・貯留、エネルギー貯蔵等の低排出技術に対し、民間や公的機関から800億豪ドル以上を投資する。
  • メガワット時(MWh)あたり15豪ドルの太陽光発電の実現を目指す。
  • 2050年までの実質ゼロ達成に必要な排出量の85%削減に向け、新興技術を活用する。2005年から現在までのオーストラリアの排出削減率は20%以上。
  • 税制や法制定による逆累進的な措置は、家計や事業、地域が負担するコストを増大させるため行わない。
  • 進捗を評価し、技術の進化に対応するための年5回のレビューを実施する。

モリソン首相は、「この計画は、実質ゼロの目標達成に向けた責任ある、実際的な行動を示している 」とし、「税ではなく技術(technology, not taxes)を通じて結果を出す」と強調した。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部