2022年01月
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タンパク質供給源で牛肉の貢献度を評価する指標開発 豪CSIRO

オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)は、オーストラリア産牛肉の、人間へのタンパク質供給源としての貢献度を初めて数値化したと発表した。2021年12月9日付。この研究成果は学術誌 Animal に掲載された。

この研究では、「実質タンパク質貢献(net protein contribution)」という新しい概念を用いて、牛が飼料から摂取するタンパク質と、その牛から作られるタンパク質の質と量を比較し、牧草飼育牛と穀物飼育牛の差を検討した。

タンパク質の質と量を、穀物飼育牛(Grain-finished)と牧草飼育牛(Grass-fed) との差を比較(提供:CSIRO)

その結果、オーストラリアの穀物飼育牛生産システムは牛が消費するタンパク質の約2倍、牧草飼育牛生産システムでは約1,600倍、人間が食べられるタンパク質に貢献していることがわかった。

また、牛肉等の「レッドミート」の生産は大量の土地や飼料を消費するため、人間が直接食べる農作物に比べ効率が悪いという批判もある。しかし、CSIROで畜産システムを研究するディーン・トマス(Dean Thomas)博士は、オーストラリアの牛肉生産は、穀物と牧草に含まれるタンパク質を人間の栄養として質の高いタンパク質に効率よく変換していると指摘する。

CSIROの「未来のタンパク質ミッション(Future Protein Mission」を率いるミシェル・コルグレイブ(Michelle Colgrave)教授は今回の研究について、「消費者にとって、持続可能性の観点でタンパク質食品の選択肢を評価する際の助けになる」と語った。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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