オーストラリアのシドニー大学(University of Sydney)は5月2日、同大学の研究者らが、手に障害を持つ人々のためのゲーム用ウェアラブルデバイスを開発したと発表した。
運動ニューロン疾患や脳性麻痺等の疾患により手を自由に動かせない人々が、手持ちのコントローラーの操作を必要とするゲームを簡単にプレイできる日が来るかもしれない。
(提供:シドニー大学)
このブレスレット型デバイスはユーザーが指を動かすときの手首の小さな動きをとらえ、Bluetoothを介してコンピューターに送信する。これらの動きは機械学習を用いて解釈され、ゲームやコンピューターインターフェイスの操作に利用される。
デバイスを開発した優等学位(undergraduate honours)過程在学のスティーブン・リン(Stephen Lin)氏は、「現在はこれらの信号をコンピューターベースのプログラムに送信しているが、将来的には無料のスマートフォンアプリに発展させたい」と語った。
このデバイスに用いるセンサーは、低コストの商用3Dプリンターで製造できる。また、ユーザーは使いやすいツールを用いてセンサーをカスタマイズできる。
同チームは現在、脳性麻痺の研究機関から助成を受け、この技術を用いて脳性麻痺を持つ人々を支援する方法を研究している。また、デバイスの作製に必要なツールをオープンソースソフトウェアとして提供することを計画しているという。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部