2022年08月
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遺伝子ドライブでノネコを管理する方法―大半の人々が支持との調査結果 豪CSIRO

オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)は「遺伝子ドライブ」という新たな遺伝子技術を用いて、ノネコ(野生化したネコ)の個体数を管理する方法を大半の人々が支持しているという調査結果を明らかにした。6月30日付け発表。

遺伝子ドライブは、子孫の性を決定して繁殖可能な個体を減らし、最終的に生息個体数を減らすことを可能にする。

(提供:CSIRO)

CSIROの研究者らは、ノネコに対して遺伝子ドライブを用いることに対する一般の人々の考え方を理解するため、オーストラリア全土の3,800人を対象に今回の調査を実施した。自分の住む地域で遺伝子ドライブを用いたノネコ管理を行うことをある程度(moderately)以上支持した回答者の割合は86%に上った。

侵入種であるノネコは、1日あたり哺乳類320万匹、鳥類120万羽といった大量の動物を殺し(その多くは在来種)、27の動物種を絶滅に追いやる等、同国の生物多様性に脅威をもたらしている。

(Credit: Unsplash 提供:CSIRO)

CSIROの科学者で今回の報告書の共著者であるアディティ・マンカッド(Aditi Mankad)博士は、合成生物学は比較的新しい科学領域であり、他の新領域と同様に、社会的なリスク、利益、価値を考慮する必要があると語り、今回の結果について、「地元で認識されている侵入種の問題がある場合に、回答者が遺伝子ドライブを支持する割合が有意に高くなった」と指摘した。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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