ナノ粒子インクはシンプルかつ用途が広いため、次世代のペロブスカイト太陽電池を大量印刷するのに便利であり、産業用太陽光発電の主流となる可能性を秘めている。ただし、長期耐久性の問題と製造工程でいくつかの障害があるため、これまでペロブスカイトという材料は、シリコンを追い越すことはできなかった。
これに対し、オーストラリア研究会議励起子科学分野のセンター・オブ・エクセレンス(ARC Centre of Excellence in Exciton Science)の研究者たちは、オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)と共同研究を行い、酸化スズナノ粒子インクが持つこれらの課題に対し、ついに解決策を見つけたようである。
この研究はオーストラリア再生可能エネルギー機関 (ARENA) から資金提供を受けている。研究結果は Chemistry of Materials に掲載された。7月5日付け発表。
(提供:ARC Centre of Excellence in Exciton Science)
CSIRO の主任研究員であるドージン・バク (Doojin Vak) 博士は「ペロブスカイト太陽電池は、産業用印刷で製造することができる。このプロセスは本質的に低コストではあるが、それでもすべての部品にはコストがかかる。この研究は、将来に向けて、ペロブスカイト太陽電池の超低コスト製造に役立つ素晴らしい方法を示している」と話している。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部