2022年12月
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グーグルとブルーカーボンの共同研究プロジェクトを実施 オーストラリア

オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)、オーストラリア外務貿易省(Department of Foreign Affairs and Trade: DFAT)、グーグルの豪州部門(Google Australia)は、国連気候変動枠組条約第27回締約国会議(COP27)で、インド太平洋・オーストラリア沿岸地域のブルーカーボンに関する共同プロジェクトを実施すると発表した。11月10日付け。

フィジー、インドネシア、CSIRO、グーグル、アルファベット(Alphabet)の研究機関「X」内の海洋健全性プロジェクト「タイダル(Tidal)」の研究者らが、インド太平洋・オーストラリア沿岸地域で研究を行い、海草生態系とその炭素吸収・隔離能力に関する理解を深める。従来のリモートセンシングを用いた沿岸・海洋生態系の炭素評価は雲や太陽の角度、天候の影響を受けやすく、高コストで時間のかかる手動の画像解析を必要とする。

今回、研究者らは、機械学習を用いて複数の情報源からの海草や海洋生物の画像を収集・解析し、より拡張性とコスト効果の高い方法でデータや知見をマップ化・モデル化することを目指す。

CSIROのラリー・マーシャル(Larry Marshall)最高責任者は、CSIRO、グーグル、DFATがそれぞれ強みを持ち寄ることで、気候レジリエンスと経済成長を強化する「クライメートスマート(climate-smart)」な意思決定を支援できると語った。

インドネシア人研究者による、炭素貯蔵のマッピングのための海草コアのコレクション

海草の被覆率とバイオマスの機械学習モデルをトレーニングするために、海草生息地の種類の勾配全体に100メートルのトランセクトを配置する

海草生態系は、インド太平洋全体で最も広範かつ価値のある沿岸生態系の 1つであり、持続可能な生計、気候の回復力と適応に直接つながる利益をもたらす
(提供:いずれもCSIRO)

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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