オーストラリア(豪州)の産業・科学・資源省(DISR)は2月2日、タスマニア大学(UTAS)がオーストラリア宇宙庁(Australian Space Agency)の支援を受けて、200万豪ドルの衛星通信用アンテナを設置したと発表した。
この最新アンテナは高さ7.3メートルで、この種のアンテナとしては世界最南端のタスマニア州・グリーンヒル天文台(Greenhill Observatory)に位置する。
この最新設備は宇宙状況把握(space situational awareness)における同国の能力のさらなる発展につながると期待されている。宇宙状況把握は、軌道内の衛星やデブリを観測・追跡して衝突を防ぐための技術分野であり、豪州はその地理的優位性から主導的な役割を担える可能性がある。
エンリコ・パレルモ(Enrico Palermo)宇宙庁長官は、「UTASのこの最新設備により、研究や商業における新たなパートナーシップへの可能性が開かれるだろう」と期待を込めた。
このアンテナは高度な技術を持つUTASのチームにより運用され、地球低軌道衛星や宇宙ミッションの地上支援のため宇宙から地球への通信を提供する。UTASは大陸規模のアンテナ群を運用する世界で唯一の大学であり、宇宙科学分野のリーダーに位置付けられている。
(提供:いずれもDISR)
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部