2023年06月
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リサイクルの難しいポリプロピレン、真菌が分解 オーストラリアで実証

オーストラリアのシドニー大学(University of Sydney)は4月14日、同大学の研究者らが、リサイクルが難しいプラスチックであるポリプロピレンを、真菌を用いて分解することに成功したと発表した。博士課程のアミラ・ファルザナ・サマト(Amira Farzana Samat)氏らによる実験の成果であり、研究論文は学術誌npj Materials Degradationに掲載された。

分解前(左)と分解後のプラスチック(右)

ポリプロピレンは包装やおもちゃ、家具等の幅広い製品で使用されており、世界のプラスチックごみの約28%を占めるが、リサイクル率は1%と少ない。包装材としての使用期間が短いことや、不純物が混ざりやすいことがその理由であり、リサイクル率を高めるには環境への影響を最小限に抑えた新たな手法が必要とされている。

真菌のEngyodontium album
(写真:Amira Samat)

今回の実験で土壌中や植物中に存在する真菌Aspergillus terreusEngyodontium albumは、紫外線光や熱を用いて前処理されたポリプロピレンを分解し、培養30日間で21%、90日間で25~27%減少させた。研究チームは、この手法が、環境を汚染している大量のプラスチックを減らし、これらのプラスチックが自然に生分解される条件について理解することにつながると期待している。

ポリプロピレンを分解する実験の仕組み

チームはさらに、海洋環境から分離した微生物を用いて同様のプロセスで海洋プラスチックごみを分解する方法も研究している。

(出典:いずれもシドニー大学)

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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