オーストラリアのシドニー大学(University of Sydney)は5月4日、Sydney Biomedical Accelerator(SBA)の第1段階となるイノベーションハブ(Innovation Hub)が正式に開設されたことを発表した。ロイヤルプリンスアルフレッド病院(Royal Prince Alfred Hospital:RPA)内に設けられたイノベーションハブは、研究者や臨床医、業界パートナーがアイデアを生み出し、新たなパートナーシップを結び、イノベーションを加速させるコラボレーションの場となる。
SBAは、シドニー大学、シドニー地域保健局(Sydney Local Health District:SLHD)とニューサウスウェールズ州政府の6億5,000万ドル規模のパートナーシップで、がんや神経変性疾患などの難しい健康上の課題に取り組むオーストラリア初の特区を構築し、シドニーをバイオメディカル研究のグローバルリーダーとして位置付けることを目指す。分子・細胞のプログラミングによる疾病の治療などの4つのテーマに重点を置き、分子・細胞レベルの基礎研究と患者中心の臨床研究、研究成果の統合に取り組む。
イノベーションハブは、RPAとシドニー大学の既存の専門知識を活用し、この専門知識を産業界と結び付けるためのプラットフォームを構築する。
シドニー大学副総長兼学長のマーク・スコット(Mark Scott)教授は、「イノベーションハブは、革新的な研究と商業化を通じて、科学的発見を迅速に健康成果へとつなげるという我々の共通の目標をサポートするものとなる」と語った。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部