バッテリーリサイクル技術を手がけるオーストラリアのバッテリー・ポリューション(Battery Pollution)社は6月6日、使用済みEV用バッテリーとエネルギー貯蔵システム用バッテリーからコバルト、リチウム、グラファイト、ニッケルを回収する独自プロセスの開発に向けたオーストラリアのニューカッスル大学(University of Newcastle)との協力協定を明らかにした。
リチウムイオン電池の重要な構成材料であるコバルト等のバッテリー金属は、その希少性と複雑なサプライチェーンをめぐる課題で知られている。ニューカッスル大学と共同で開発が進められているリサイクルアプローチは、最先端の科学プロセスと独自の方法論を活用してバッテリー金属を抽出し、廃棄物を最小限に抑え、資源回収を最大化する。これにより、従来の採掘作業の必要性を大幅に削減し、鉱物採掘に伴う環境への影響を軽減することを目指す。
この戦略的提携に基づく取り組みは2022年10月に始まり、現在はバッテリー金属回収プロセスのパイロットテストまで進んでおり、小規模での分離も達成した。
バッテリー・ポリューション社の創設者兼CEOのニコラス・アセフ(Nicholas Assef)氏は、「我々は、バッテリーリサイクル産業に革命を起こし、全てのバッテリー鉱物、特にコバルトに対する世界的な需要の増大に持続可能なソリューションを提供することに力を尽くしている。我々の革新的な技術は、採掘への依存を減らすだけでなく、有害なバッテリー廃棄物の埋め立て処理を防ぐのにも役立つ」と述べた。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部