オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)は、ソフトロボティクス分野における同機構の最新の取り組みを紹介した。5月30日付け。
ドーナツ型のグリッパーがチェリーの周りでグリップを閉じる場面
柔らかさやしなやかさのあるロボットを実現するソフトロボティクス技術は、農業や医療をはじめ様々な分野に活用できると期待されている。CSIROはこれらの技術の実用化に向けた試みに力を入れており、シンガポールで4月に開催されたソフトロボティクスの国際会議「IEEE-RAS International Conference on Soft Robotics(RoboSoft)」の第6回で、以下のような研究の成果をまとめた4本の論文を発表した。
デービッド・ハワード(David Howard)博士らは、粉粒体の性質を用いて様々な形状の物体をつかめるグリッパーを作製する技術、「粉粒体ジャミング(granular jamming)」に関する以下のような研究に取り組んでいる。
ソフトグリッパーのデジタルツイン
(出典:いずれもCSIRO)
また同機構のAI for designポートフォリオでは、人工知能(AI)を用いて複雑な統合型ロボティックシステムを設計する方法を開発している。ハワード博士のチームは、AIを用いて、材料や大きさの制約に基づき目的にかなった空気圧(pneumatic)グリッパーを自動生成するソフトウェアを開発した。同博士は今後の研究について、「生成AIを用いて設計空間を創造的に探索することを検討している」と語った。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部