オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)は、干ばつによるコストをより正確に予測する方法を研究している。
干ばつ回復ミッションは、将来の干ばつの影響をより深く理解し、軽減することに重点を置いている
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豪州では今後、干ばつがより頻繁に、より深刻になると予想されている。干ばつは農業だけでなく、地域の人々の精神的・身体的な健康や生態系にも深刻な影響を及ぼすと指摘されている。
干ばつによる植生の喪失と土壌の浸食は、危険な砂嵐や大気の質の悪化につながる可能性がある
(出典:いずれもCSIRO)
CSIRO環境チームの上級エコノミストであるデービッド・フレミング-ムノス(David Fleming-Munoz)博士は最近、干ばつが豪州にもたらす広範な影響やコストを調べ、以下のようなデータポイントを考慮に入れた新たな評価手法を提案した。
CSIROは「干ばつレジリエンスミッション(Drought Resilience Mission)」を通じて、地域社会や産業界、政府機関との連携の下で水の利用・管理方法の改善に取り組んでいる。このミッションを率いるグラハム・ボネット(Graham Bonnett)博士は「ウォーターバンキング(water banking)等の対策により地域のレジリエンスが向上し、干ばつの経済的影響が軽減される可能性がある。しかしレジリエンスの改善を真に評価するには、干ばつのコストの包括的な測定が必要である」と話している。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部