2023年08月
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「責任あるAI」の実践でウェビナーを開催 豪CSIRO

オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)は7月12日、同機構が最近開催したウェビナーに基づき、責任ある(responsible)AI(人工知能)の重要性とその実践方法に関する専門家の見解を公表した。

生成系AIをはじめとするAIの急速な進化を受け、安全で倫理的なAIの重要性がますます高まっている。豪州では鉱業、農業、医療等の基幹的な部門においてAIの利用が拡大しているが、責任あるAI慣行に対しては十分な関心が払われていない現状がある。

AI 山火事予測ソフトウェア Spark は、責任ある AI の導入に成功したオーストラリア企業の革新的な例の1つという
(出典:CSIRO)

国立AIセンター(National AI Centre)の「責任あるAIシンクタンク(Responsible AI Think Tank)を率いるジュディ・スラティエ(Judy Slatyer)氏は、AIによる興奮(excitement)と倫理的なAI導入を両立させるには、透明性と説明責任(accountability)が重要であると強調した。

専門家らは、責任あるAI慣行を実践する方法として、組織の原則の確立や従業員のトレーニング、責任者の任命等が有効であると述べている。また、こうした取り組みの効果を測定する仕組みづくりも非常に重要であるとしている。

CSIROや国立AIセンターの「責任あるAIネットワーク(Responsible AI Network)」は、専門家による助言やリソースの提供を通じてこうした企業を支援している。CSIRO・Data61部門のリミン・チュー(Liming Zhu)氏は、「研究機関と連携することで、AIモデルを導入する際の不安を軽減できる可能性がある」 として、積極的な支援の活用を呼び掛けた。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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