2023年08月
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電流を利用して食用キノコを大型化―豪州、イノベーションと商用化を支援

オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)は7月21日、同機構によるイノベーションの商用化に関する様々なプログラムを公表した。

今日の世界では、人類の課題の解決や経済の強靭化、地球環境の改善に向け、イノベーションの果たす役割がますます重要になっている。CSIROはイノベーションに取り組む企業や研究成果を商用化したいと考える研究者に向け、以下のような支援・助成機会を提供している。

  • CSIRO Kick-Start:豪州のスタートアップ・中小企業(SME)を対象に、CSIROとの共同研究に向けた支援やマッチングファンド(dollar-matched funding)式の研究費助成を提供。

Nutri V は、廃棄されてしまう野菜を使って作られた栄養価の高いスナック食品のシリーズを開発した
© Craig Moodie Photography PtyLtd WWW.CRAIGMOODIE.COM

  • Innovate to Grow:研究開発の初期段階にあるSMEを対象に、アイデアの形成や研究費獲得を支援する10日間の無料オンラインプログラム。

メタコスモスは、センサー技術を組み込んだ次世代のハイテク宇宙服を設計した

  • E Collaboration Initiative:公的資金を用いた研究に携わるSMEを倍増させることを目的に、推奨事項やツールを提供。
  • Generation STEM:ニューサウスウェールズ州の企業とSTEM分野を専攻する学生を結びつけるプログラムを提供。
  • Lindfield Collaboration Hub:スタートアップ・SMEに、ハイテク製品を開発するための専用スペースを提供。
  • ONプログラム:豪州の研究者に対し、新技術の商用化を支援する様々なプログラムを提供。

レインスティックは電流を利用して食用キノコの成長を促進します。右の大きいキノコはこの技術を使用して成長させたもので、小さいキノコは未処理のものだ
(出典:いずれもCSIRO)

  • Company Creation:科学技術を通じて地球規模の課題を解決するベンチャー企業を設立。
  • Main Sequence:ディープテック分野の急成長スタートアップに投資するベンチャーキャピタル。

これまで多数の企業が、CSIROのこうしたプログラムを複数利用することで、様々な段階の研究開発を前進させている。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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