(出典:豪政府)
オーストラリア産業・科学・資源省(Department of Industry, Science and Resources)は8月25日、同国の1,500万以上の住所の緯度・経度を含むジオコード化データセット「Geocoded National Address File(G-NAF)」の最新版が公開されたことを発表した。
G-NAFは豪州の連邦・州・準州政府が所有する企業ジオスケープ・オーストラリア(Geoscape Australia)が作成し、3カ月ごとに更新する。豪州の企業や政府機関はこのデータセットを通じて、最新の正確な住所データを無料で利用できる。
G-NAFは2015年に初めて公開されて以来、救急サービスや郵便物配達、新型コロナウイルス感染症のパンデミック下での出入国管理等、さまざまな用途で利用されている。2019~20年にかけて発生した大規模な森林火災(Black Summer Bushfires)の際も、政府で被害を受けた地域を特定するため、衛星データ等と共に利用された。
連邦政府は2023年7月にジオスケープ社との契約を延長し、G-NAFのデータを2029年半ばまで無料で公開できるよう、4,240万豪ドルを出資することを決定した。2022年のラテラル・エコノミクス(Lateral Economics)の調査によると、G-NAFの公開により豪州の地域社会にもたらされる利益は、15年間で推定14億豪ドルに相当する。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部