オーストラリア科学アカデミー(Australian Academy of Science)は9月7日、豪州政府が発表した「国家科学研究優先分野(National Science and Research Priorities)」のドラフトに対する見解を発表した。
国家科学研究優先分野は、豪州の科学システムの長期的ビジョンを形作るものであり、2015年に最初に設定された。今回、パンデミックや気候変動の影響の深刻化により科学を取り巻く状況が変化したことを受け、大幅に見直されることとなった。
ドラフトでは大枠となる優先分野(priority)として次の4つを掲げ、各優先分野の下に具体的な目標や研究の道筋を示した。
同アカデミーのチェンヌパティ・ジャガディッシュ(Chennupati Jagadish)会長は「新たな優先分野は国家が直面する主要な課題のいくつかに沿ったものである」と評価した。その一方で、「前回の科学研究優先分野は実施(implementation)、モニタリング、評価の面で不足があり、特定された分野の規模拡大にほとんど貢献しなかった」と指摘し、「最終版の優先分野は、科学エコシステムによるこれらの導入方法を明確にした強固な実施計画に裏打ちされる必要がある」とも語った。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部