2023年10月
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タンデム型太陽電池の規模拡大には再設計が必須 豪CSIRO

オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)の研究者らが、タンデム型太陽電池の生産を気候変動に効果をもたらせる規模まで拡大するには、設計の見直しが必須であることを明らかにした。9月10日付け発表。この研究の成果は学術誌Energy & Environmental Scienceに発表された。

タンデム型太陽電池は、従来のシリコン太陽電池の限界を超える変換効率を達成できるとして注目されている。しかし、大半のタンデム型太陽電池で用いられている「シリコンヘテロ接合」設計では、希少な資源である銀とインジウムを多く必要とする。今回の研究では、これらの原料の希少性が、将来、生産規模を拡大する上での制限になると指摘した。

タンデム型太陽電池は再設計しない限り、既存の技術(写真)を追い越すことはできない ©Shutterstock

クリーンエネルギーへの移行を通じて気候変動を食い止めるには、21世紀半ばまでに世界で現在の62倍の太陽光発電容量を設置する必要がある。

インジウムを使用せず、銀もごく少量しか使用しないシリコン太陽電池は既に存在し、このようなシリコン太陽電池を採用したタンデム型電池の研究・開発が始まっている。気候変動対策におけるタンデム型太陽電池の有望性を考慮すると、このような研究に一層注力することが喫緊の課題であるとCSIROは指摘した。

銀は多くのエレクトロニクス製造において重要な成分だ ©Shutterstock
(出典:いずれもCSIRO)

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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