オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)は9月22日、二酸化炭素(CO2)回収・有効利用・貯留(CCUS)の重要性や同機構の取り組みに関する以下のような見解を公開した。
CCUSは、世界や豪州の温室効果ガス排出削減目標を達成するうえで不可欠な技術であると考えられている。国際エネルギー機関(IEA)の「2022年世界エネルギー見通し(World Energy Outlook 2022)」は、2050年までに排出量ネットゼロを達成するには、世界のCCUS施設のCO2回収量を、現在の年間45メガトンから2050年までに6.2ギガトンへと拡大する必要があると指摘している。
世界では各国政府の支援や規制緩和、研究開発の進展を受けてCCUSプロジェクトが急速に拡大している。豪州は、地質や土地の広さ、インフラ、再生可能エネルギー資源等の面でCO2の輸送や貯留に適した条件を備えており、国内でのCCUSに加え、日本等CO2の貯留ポテンシャルの小さい国で回収されたCO2の輸送・貯留という新たな機会も創出できる可能性がある。
CSIROはCCUSの研究において20年間の経験を有し、現在以下のようなプロジェクトに取り組んでいる。
CSIROは、2050年のネットゼロ目標の達成に向けてCCUS技術を大規模に導入するには、政府や産業界、地域社会、研究者との連携が非常に重要であるとしている。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部