オーストラリアのメルボルン大学の研究者が、同国の環境条件に適した屋上緑化(green roof)の方法を示した無償のガイドを公開した。10月12日付発表。
屋上緑化には、都市部の気温上昇や大気汚染の緩和、生物多様性の向上、豪雨対策、安らぎの提供といった効果がある。
ガイドの筆頭著者で都市園芸学を専門とするジョン・レイナー(John Rayner)准教授は、機能的な屋上緑化は、豪州の厳しい条件に適した植物を用いた場合に最大の社会的・環境的利益をもたらすと語り、「屋上緑化においては、地上よりも暑く乾燥するなど植物の生育にとって厳しい条件があり、これまで知識の不足が導入の妨げとなってきた」と指摘した。
同大学のバーンリー(Burnley)キャンパスにおける15年間にわたる植物研究に基づいて作成されたこのガイドには、干ばつに強い多肉植物や丈夫な多年生植物、美しい花を咲かせる一年生植物など、さまざまなタイプの屋上緑化に適した植物180種の情報や写真が記載されている。
この研究プログラムは、豪州の園芸業界団体ホート・イノベーション(Hort Innovation)による「Hort Frontiers Green Cities Fund」から助成を受け、メルボルン市とビクトリア州の支援の下で実施された。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部