オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)は、豪州の「AI月間(AI Month)」(11月15日~12月15日)の期間をとらえ、豪政府のベトナム開発支援プログラム「Aus4Innovation」の下で人工知能(AI)を活用した事例を公表した。
Aus4Innovationはベトナムのイノベーションシステムの強化を支援することを目的とした10カ年のプログラムであり、CSIROが共同出資・運営している。これまでに支援した豪州・ベトナム間の共同AIプロジェクトには以下のようなものがある。
豪シドニー工科大学(University of Technology Sydney)とベトナムのレー・クイ・ドン工科大学(Le Quy Don Technical University)は、無人航空機、AI、シミュレーションなどの最先端デジタルトランスフォーメーション技術を用いて、さまざまな状況における捜索救助活動のシミュレーション訓練を行うシステムを開発している。
このドローンには AI 技術が組み込まれており、捜索救助任務で行方不明者の特定を支援する
豪ウーロンゴン大学(University of Wollongong)とベトナムのテクノロジー企業ビグリーン(VIGREEN)は、サトウキビの生育状況に関するデータをモニタリングし、モバイルアプリを通じて農家に提供するAIシステム「Smart Eye」を開発し、ベトナム・タインホアの大手製糖企業ラムソンシュガー(Lam Son Sugar Company)に技術を移管した。
AIテクノロジーは、作物の健康状態の監視に役立つ画像を収集する
ウーロンゴン大学とベトナムのホーチミン市科学技術大学(Ho Chi Minh City University of Technology)は、貴重な生物種の生息地となっているベトナムのトラムチム国立公園の環境保全活動を支援するため、AI、機械学習、IoT(モノのインターネット)デバイスなどを用いて公園の環境や生態系に関するデータを収集・処理するシステムを開発した。
AI監視カメラを鳥類の識別と数に採用
(出典:いずれもCSIRO)
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部