2024年01月
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認知症患者らの充実した生活支援へ、ケアプログラム開発 豪州

オーストラリアのモナシュ大学(Monash University)の研究者らが、認知障害(cognitive impairment)や認知症(dementia)を持つ人々が日常的な活動を自力で行い、より充実した生活を送れるよう支援するプログラムを開発した。

同大学の健康・ソーシャルケア部門(HSCU)の研究者らは、ケアサービス提供組織「バプトケア(Baptcare)」と共同で、モンテッソーリ教育のアプローチに基づき、居住者、スタッフ、訪問者を包含する総合的なケアモデル「Living Well Together」を開発した。

パイロットサイトとしてこのモデルを導入したメルボルンの高齢者ケア施設では、子供向けの遊具や本のあるコーナーやカフェのような活動室を設置し、壁には色とりどりの絵や、居住者が自分で活動(お茶を入れる、水やり、園芸など)を行えるよう支援する表示を掲げている。

バプトケアのCEOであるジェラルディン・ラノン(Geraldine Lannon)氏は、「このプログラムは個々の居住者にとって重要なことや、意味や目的を与えることに重点を置く。このモデルにより、スタッフが居住者と共に作業し、居住者が充実した生活を送れるよう支援できるようになるだろう」と期待を語った。

このモデルの開発を率いたHSCUのダーシニ・アイトン(Darshini Ayton)准教授は、モンテッソーリの理論に基づく人を中心とした(person-centred)アプローチがケアモデルの重要な要素であると強調し、「人々ができる限り自力で物事を行えるようにすることは、機能や可動性、生活の質の向上や維持に役立つ」と述べた。

チームは今後、バプトケアが運営するビクトリア州とタスマニア州の14の高齢者ケア施設にこのモデルを展開することを計画している。

(2023年12月8日付発表)

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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