2024年02月
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鉱物資源業界の脱炭素化へ、グリーンスチール・鉱物処理で共同プログラム 豪州

オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)は2月1日、同国のスウィンバーン工科大学(Swinburne University of Technology)と、グリーンスチールおよび持続可能な鉱物処理に関する研究開発を支援する共同プログラムを設立したことを発表した。

このプログラム(「Sustainable Mineral Processing and Green Steel Program」)は、豪州のイノベーションシステムにおいて、業界による低炭素鉄鋼技術の研究を促進し、将来的な技術の実証や産業の育成に向けた指針を提供するための能力を構築することを目指す。鉄鋼を含む重要金属の低炭素製造方法やリサイクル技術の改良など、鉱物資源業界のネットゼロに向けた主要な課題に取り組むため、両機関の研究員や博士候補生と世界各国の研究者・業界との共同研究を促進する。

プログラムを率いるスウィンバーン工科大学のジェフリー・ブルックス(Geoffrey Brooks)教授は持続可能な鉄鋼生産に対する貢献が認められ、鉄鋼業界の優れた功績に対して贈られる「Bessemer Gold Medal」を2023年に受賞した。

同大学はサプライチェーン変革・持続可能性の分野におけるリーダーとしての地位を確立しつつあり、2025年までのネットゼロ達成を目指す取り組みの一環で鉱物特性評価や鉱物処理、乾式製錬(pyrometallurgy)、原料リサイクルの研究開発に投資している。

同プログラムでは、国際会議や業界研修コース(industry courses)、学生への奨学金や共同研究、就業体験プログラムの提供も計画されている。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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