2024年03月
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360回転のVRモーションシミュレーターを導入、航空宇宙研究への活用に期待 豪州

豪州のロイヤルメルボルン工科大学(RMIT)は2月5日、研究や授業に活用するため、360度回転する球体型の仮想現実(VR)モーションシミュレーターを導入したことを発表した。これは、ニュージーランド企業「エイトスリーシックスティ(Eight360)」が開発した「NOVA」という製品。生体計測機能も備えており、NOVAの視線追跡データと実際の航空機から収集した飛行データを組み合わせることで、航空宇宙分野の研究や分析に活用できると期待されている。

この種のシミュレーターが導入されるのはビクトリア州の大学としては初めて、豪州でも2番目となる。NOVAは幅2メートルの球体型で、VRヘッドセットを装着して一人で操作する。あらゆる方向にすばやく回転し、聴覚や視覚、身体的感覚を通じて、真に現実のように感じられる体験を生み出す。

RMITのSTEMデジタルイノベーションセンター(STEM Centre for Digital Innovation)の所長であるジェームス・ハーランド(James Harland)教授は、航空宇宙や「仮想車両(virtual vehicle)」はもちろんのこと、このシミュレーターの新たな用途を見つけることを楽しみにしていると語る。そのうえで、「瞑想の研究に利用できるかを検討している。授業でも、喉や胃の中に入るような没入型のツアーを通じて消化や栄養に関する学びを深められるかもしれない」と表明した。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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