オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)は3月4日、同機構の調査船「RV Investigator」が60日以上、約12,000キロメートルに及ぶ調査航海から豪州に帰還し、南極海の包括的なデータセットを持ち帰ったことを発表した。
豪政府の助成を受けた研究プログラムAustralian Antarctic Program Partnership(AAPP)とCSIROが率いる調査チームは、タスマニア島ホバートから南下し、南極の氷の縁に沿って西へ進んだ後、再び豪州に向けて北上した。
南極海の学際的な調査(Multidisciplinary Investigations of the Southern Ocean:MISO)の航海図
主任科学者の一人であるCSIROおよびAAPPのスティーブ・リントウル(Steve Rintoul)博士は、「水深6キロメートルの深海から地上2キロメートルの雲に至る広範な場所から収集したこれらの新たなデータは、南極海が豪州や世界の気候パターンに及ぼす影響に関する重要な手がかりを与えるだろう」と語った。
今回の航海の科学的成果には以下のようなものがある。
リントウル博士は、「南極海と地球システムにおけるその役割をよりよく理解することは、将来の気候変動とその影響を予想するうえで不可欠となる。今回の航海は、科学に基づき難しい意思決定を行う政府の意思決定者や産業界、地域社会の助けとなるだろう」と語った。
RV Investigatorの研究チーム
© CSIRO/Richard Atkinson
(出典:いずれもCSIRO)
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部