2024年05月
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鉄鉱石を活用した低炭素製鋼技術の可能性調査 豪ウーロンゴン大学

オースラリアのウーロンゴン大学(UOW)の研究チームが、オーストラリア再生可能エネルギー庁(ARENA)の「Advancing Renewables Program」の下で420万豪ドルの助成を受け、大手鉄鋼メーカーのブルースコープ・スチール(BlueScope Steel)と共同で、豪州国内の鉄鉱石を有効に活用できる低炭素製鋼技術の研究に取り組むことを発表した。4月10日付け。

豪州は世界全体の鉄鉱石輸出の53%を輸出している。鉄鋼バリューチェーンの脱炭素化は、温室効果ガス排出量の削減に向けた世界的な取り組みに大きく貢献すると考えられる。

チームはブルースコープ・スチール社の技術者と連携して、豪州の主要な鉄鉱石産地であるピルバラ(Pilbara)の低~中グレードの鉄鉱石を、電気製錬炉(electric smelting furnace:ESF)を用いた低排出製鋼技術に適用することの実現可能性を調査する。

UOWの機械・材料・メカトロニクス・医用生体工学科(School of Mechanical, Materials, Mechatronic and Biomedical Engineering)のシュエ・フェン・ドン(Xue Feng Dong)博士は、「このプロジェクトは国内の鉄鉱石をすべて活用する方法を評価し、未来の低炭素製鋼技術の確立を支援することにより、鉄鋼産業の改革とネットゼロに向けた一歩前進をもたらすだろう」と語った。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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