2024年12月
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国際共同研究チームで循環型金属製造に向けたデジタルツールを開発 豪RMIT

ロイヤルメルボルン工科大学(RMIT)は11月21日、同大学が参加する、持続可能な金属製造技術に関する国際共同研究プロジェクトが、欧州連合(EU)の研究助成プログラム「Horizon Europe」から600万ユーロの助成金を獲得したことを伝えた。

金属の加工・生産は、エネルギー集約的なプロセスを使用し、製造部門全体でも大きな割合を占める二酸化炭素を排出している。これまでにない設計の柔軟性や効率性をもたらす積層造形は、この業界の直線型経済から循環型経済への移行を促せる可能性がある。

DIAMETER(Demonstration of a sustainable circular-by-design manufacturing system based on additive manufacturing:積層造形に基づく、持続可能な、設計段階から循環型の製造システムの実証)と名付けられたこのプロジェクトでは、積層造形を用いて金属製造業界に循環型経済を導入することを目的に、機械学習と人工知能(AI)を用いたデジタルツール群を開発する。

このプロジェクトはトルコのサバンチ大学(Sabanci University)が主導し、世界各国の大学や企業が参加する。スペイン・バルセロナにあるRMITの欧州キャンパス(RMIT Europe)は、これらのデジタルツールの開発に携わるほか、プロセスのシミュレーションや検証に関するタスクを主導する。

チームは開発したデジタルツールをDIAgonalというプラットフォームに統合し、航空宇宙、自動車、鋳造などの産業で使用される積層造形・機械加工プロセスにおける再製造、再生、修理、材料リサイクルを支援する。さらに、インタラクティブなトレーニングやワークショップを通じてこの部門のスキルアップを促進するプラットフォームの開発も計画している。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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